番外編(125)、祭りのあと(20100322)

3月と言えばダイヤ改正。ダイヤ改正と言えば来る者と去る者。

そして、去る者と言えば、ここ数年、定番は夜行列車。今年は上野～金沢間の寝台特急「北陸」と急行「能登」が廃止。

でも、ワタシ的には両列車は馴染みがないので、今回はあっさりとパスするつもりだったのだが・・。

写真ラストランの下り「北陸」の案内(2010年3月12日22時50分頃、上野駅にて)

じつは、2010年3月12日の深夜、ワタシも上野に行ってしまったのだった。

上野は通勤経路上にあるので、残業をするか一杯飲むかして時間調整すれば、行くのは簡単なこと。

後は動機だが、興味を引かれたのが、撮り鉄のマナー問題に絡めた連日の報道。うーむ。

写真『上野発「撮り鉄」警報』の記事(2010年3月8日付け読売新聞夕刊より引用)

かく言うワタシも「撮り鉄」の端くれ、周りのシトから話を振られた時に、知らぬでは済まされぬ。

されば、状況把握の要ありと認む。って、早い話、ヤジウマのヤジウマだな、こりゃ。

で、当日。上野駅の中央改札付近から両列車が出発する13番ホーム(「能登」は普段16番ホームだが警戒警報発令で移動中)へは人の波。後日の報道によると約3000人もいらっしゃったらしい。

写真人が溢れる13番ホーム(2010年3月12日23時10分頃、上野駅にて)

ただでさえ狭い13番ホームは、押すな押すなの大混雑。注意を呼びかけるアナウンスに怒号も交じって迫力満点。

良し悪しは別にして、この熱気はハンパじゃない。さぞかし皆さん、両列車に思い入れがあるのでせうネ。

ワタシはとてもそこには入れず、人気{ひとけ}の少ない向かいの14番ホームから一部始終を傍観するだけ。

写真金沢行き急行「能登」489系(2010年3月12日23時10分頃、上野駅にて)

北陸が23時3分発、能登が23時30分発、どちらも言わば深夜の時間帯。ヘタをすると帰りの電車が心配になる頃。

なのでワタシ的には、今回はそれほど人が集まらないのでは、と思っていたが、いやー、完全にハズレ。

でも、皆さん、無事に帰れたのでせうか。それとも、近くに泊って翌日の金沢からの上り列車をお迎えされたのでせうか。

何にせよ、ラストランは人を熱くさせるものだなぁ。

写真金沢行き急行「能登」489系モハ489-13号車の車両番号(2010年3月12日23時10分頃、上野駅にて)

数日後、同じ時間帯に、再び上野駅に行ってみた。

熱狂の渦の中にあった13番ホームは、一転して静寂の中にあった。

できればこの静寂がずっと続くことを望みたいが、そうもいくまいネ。もしかすると、また来年・・。

何と言っても、夜行列車の命運はもうほとんど尽きているのだから。

写真 13番ホーム(2010年3月18日23時、上野駅にて)