番外編(199)、観察してぇ(20131116)


昨年に続き、アメリカ出張をゲット・・。
「ゲットぉぉ♪」でないのは、休みナシ地獄と、英語地獄だから。しかも、昨年は、鉄分ナシ地獄もあったしなぁ。
乗り継ぎのシカゴ空港では、ターミナル連絡シャトルに乗れた。それは良いとして、問題はこの先だ。
写真 ターミナル連絡シャトル(2013年10月18日9時50分頃、シカゴ空港にて)

今年の目的地はミズーリ州のカンザスシティ。カンザスシティは、アメリカ本土のほぼ真ん中あたりにある。
カンザスシティには、アメリカの河川の中で最長のミシシッピ川の数ある支流の中で最長のミズーリ川が流れている。ふぅ。
なので、西部開拓の時代には、人々は船でカンザスシティまで行き、ここから鉄道でさらに西へと向かったらしい。
その名残で、カンザスシティにはユニオン駅という何とも立派な駅があるのだった。やったネ。
写真 アムトラックの駅舎(2013年10月19日18時50分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

駅の中央部分は大ホールで、大きな窓、天井や壁の装飾、シャンデリアなどが格調高い。
また、駅には、レストラン、カフェ、ショップ、ミュージアム、シアターなどもあって、なかなかに賑やか。
写真 アムトラックの駅構内(2013年10月24日15時頃、カンザスシティユニオン駅にて)

しかし、これらは観光客向けのようで、駅本来の機能は賑やかとは言えず。
写真 アムトラックの駅構内(2013年10月21日19時40分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

なにしろ、旅客列車の本数がいたって少ない。1日の本数は、シカゴ〜ロサンジェルス間の列車が1往復と、セントルイス〜カンザスシティ間の列車が2往復のみで、たったの6本しかない。
かつては、1日に100本以上の本数があったらしいが、その後は減少し、1969年にはついに旅客営業を終了。しかし、近年になって復活し、ようやく現在の状況らしい。
写真 アムトラックの時刻表(2013年10月21日16時30分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

なので、ホームは1本で足りる。しかも、あまり広くなくても。
ちなみに、カンザスシティの人口は約50万人。日本で人口50万人の都市なら、たくさんの列車が走っているのがフツーだが、やはり日本と世界は違うのだ。
写真 アムトラックの駅構内(2013年10月21日16時50分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

駅にあるショップの一つは鉄系で、模型、本、絵葉書、雑貨などが売られていた。
ただし、夕方にはさっさと閉店してしまうので、仕事が終わった後に行くと間に合わず、これじゃ買えないじゃないのーっ♯、と焦ったりした。
カンザスシティをいよいよ離れるという日になって、やっと開店中に行くことができ、件{くだん}の模型と本をゲットした。ふーい。
写真 「KANSAS CITY SOUTHERN RAILWAY」の本

そのショップの近くには、蒸気機関車の模型があった。こちらはかなり本格的。
1909年製、ボールドウィン社、軸配置4-4-2「アトランティク」型、カンザスシティサザン(KCS)鉄道、1452号機。
模型と言えば、鉄系のミュージアムもあったが、探検できず。むーん。
写真 カンザスシティサザン(KCS)鉄道1452号機の模型(2013年10月19日19時頃、カンザスシティユニオン駅にて)

駅を探検していると、巨大なイラストがあった。
ユニオン駅を背景に、ディーゼル機関車やら蒸気機関車やらがワンサカと描かれている。
実際、昔は駅の近くに今以上に広大な車両基地があったらしい。
それにしても、ディーゼル機関車の塗りが何ともカラフルで、楽しい。
写真 機関車のイラスト(2013年10月19日19時10分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

駅から隣の駐車場に出てみると、路面電車の車両が展示されていた。屋根もあり、照明もあり。
車両の顔はダースベイダーに似ているようでもあり、そうでないようでもあり。
駅の近くの路面の一部にレールらしきものがあったのは、この路面電車の遺構かもしれない。
写真 路面電車(2013年10月19日19時20分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

その近くには、客車が展示されていた。こちらは、屋根もなく照明もない。本当に展示なのかしらん。
車両は駅から延びている線路上にいるので、イベントの際に出し入れされているのかもしれない。
側面には窓上に「SANTA FE」、窓下に「CHICO」の文字がある。台車は3軸ボギー、床下には機器がたくさん。由緒正しい車両かと思うが、詳細は不明。
写真 客車(2013年10月19日19時20分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

そして、その線路の先、駅構内には、ナント、駅のイラストに描かれていた機関車がいた。
先頭部にはカンザスシティサザン鉄道の文字がある。
後で調べると、これは、EMD(Electro-Motive Division)社のFシリーズディーゼル機関車。
もともとは貨物用らしいが、むしろ旅客用にこそシックリくるデザイン。実際、カンザスシティサザン鉄道では「Southern Belle」「FLYING CROW」「NINE and TEN」などの旅客列車にも使われていたらしい。
写真 EMD社製Fシリーズディーゼル機関車(2013年10月19日19時20分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

車両を見ていると、遠くに汽笛が聞こえ、聞こえた方角を見ると、何やら列車がやってくるのが分かった。
列車は、前方2両、後方2両の機関車がプッシュプルするコンテナ主体の貨物列車で、延々数分間に渡り、目の前を通過していった。コンテナは40フィート型が主で、しかも2段積み。そのボリュームに圧倒された。
写真 アムトラックの貨物列車(2013年10月19日19時20分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

日中、汽笛を何度も聞いたので、貨物列車はかなりの頻度で走っているようだ。
なので、別の日、別の時間帯にも貨物列車に遭遇した。この時は列車は少し短かったが、それでも堂々たるもの。
動画 アムトラックの貨物列車(2013年10月22日18時50分頃、カンザスシティユニオン駅にて)

カンザスシティ市街から空港へ向かう道は、ミズーリ川を渡るあたりからしばらくの間、鉄道と並行する。
ここでは、来る時にも、また帰る時にも貨物列車に遭遇した。
アメリカは今も立派な鉄道王国だったのだなぁ。
そう、今回のアメリカ出張は、休みナシ地獄と、英語地獄ではあったものの、鉄分ナシ地獄では全くなかったのである。いや、それだけで十分。
写真 アムトラックの貨物列車(2013年10月24日16時30分頃、ミズーリ川橋梁付近にて)

【初利用駅】なし
【初乗り】なし
【完乗】なし


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