トンネル考(20050108)


橋を作ったら、次はトンネルなのかな、と。

そういえば昔、初めて作ったレイアウトでトンネルを作りました。
トンネルと言っても、線路を押入の中に通して、部屋と押入の壁に穴を開けただけのものでした。
全長こそ約5mと立派でしたが、飾りと言えば、豆電球の灯りを付けたぐらい。
ちなみに、押入の中で脱線すると、復旧するには中の荷物を全部出さないといけなくて。(-_-)仕方ないね。
図 レイアウトの形状

押入をトンネルといってはばからない安直な姿勢は、あれから30年経った今でも変わりません。
例えば、こんなパイプ↓がトンネルにならないかなぁ、などと考えてしまうのでした。
写真 塩ビ管の端材

パイプの底部を切断して地面に置けば、それだけでかなりトンネルっぽく見えたりしそうで。
図 パイプのトンネル

というわけで、このパイプのトンネルに車両(軌道含む)が通るかどうかを考えてみよう、と。
求めたいものは、車両の寸法が与えられたときの、トンネルの径(直径または半径)の最小値です。

トンネルの径が最小値になるとき、車両断面はトンネルに内接します。
車両断面は左右対称なので、トンネルの中心(o)から車両断面の各出隅(a〜e)までの距離のうち、少なくとも2点がトンネルの半径に等しくなります。
図 トンネルの形状と寸法

2点が円周上にあり、そのx,y座標と中心のx座標が与えられたとき、円の半径は下記のように計算できます。
図 トンネルの形状と寸法

全ての出隅から2点ずつを選んで半径を求めれば、それらの最大値がトンネルの径(半径)の最小値ということになります。
あとは、各部の寸法を変数で表現して、
図 トンネルの形状と寸法

実際の車両の寸法を与えて、
図 車両の形状と寸法

計算すると、

トンネルの最小寸法が求まります。
トンネルの最小径(直径)は42.3[mm]、このとき高さは40.8[mm]
図 トンネルの形状と寸法

また複線の場合は、A1、B1、D1に複線間隔(例えば33[mm])を加算すれば同様に計算できます。
トンネルの最小径(直径)は61.5[mm]、このとき高さは49.3[mm]
図 トンネルの形状と寸法(複線)

上記のパイプの径(直径)は56[mm]なので、単線には使えても複線には使えないということが分かりました。
って、別に計算なんかしなくても、見れば一目で分かりますよね。例によって好きでやってるだけです。ごめんなさい。(-_-)面倒な奴だ。

さて、仕方ない。もう少し太いパイプを探すとするか。


追記(20050306)

箱根登山鉄道塔ノ沢駅の箱根湯本側にあるトンネル。
箱根登山鉄道は単線ですが、駅構内は複線なので、トンネルは複線用の寸法。
写真 トンネル(箱根登山鉄道塔ノ沢駅にて)


トップ /前ページ /次ページ