番外編(64)、杏より梅が(20070909)


早起きの鳥は虫を捕まえる。って、確かにそーだよなぁ。
最近まで、出張と言えば、近場に泊まって、夜遅くまで飲んて朝遅くまで寝る、とゆーワンパターンだった。今思えば、ずいぶんとモッタイないことをしてきたものだ。
だが、今からでも遅くない。もっと自由な発想で、思い出作りをしたいもの。
そして、今回の福岡、大阪出張、まだ大阪が残っているのだった。(-_-)まだ引っ張るの?

福岡の仕事は9時から16時。早く終わったのは、神様の思し召し。
さて、早速ながら、今晩はどこに泊まるか?
条件は、明日の朝9時に事務所に着くこと。それさえ満足すれば、極端な話、このまま博多に泊まることも可。
試しに調べてみると、さすがに博多に泊まると、始発の新幹線「ひかり442号」(博多6時発、新大阪8時45分着)を使っても間に合わない。 しかし、少なくとも広島より先にさえ泊まれば、例えば「のぞみ66号」(広島7時発、新大阪8時28分着)を使って何とか間に合う。

そう考えると、まさに可能性は無限大。 あとは、自分がどこまで風呂敷を拡げて、また絞り込めるか、とゆー話に。
うーむ、今回は何となく「岡山」がキーワードのよーな気がするなぁ。 岡山、あるいは岡山周辺で何かないかなぁ。
と考えていたら、ふと瀬戸大橋のことがアタマに浮かんだ。よーし、それで行くか。
写真 博多発新大阪行き、ひかり472号レールスター(2007年8月22日16時40分頃、博多駅にて)

博多から岡山へは、「ひかり472号レールスター」(博多16時35分発、岡山18時28分着)。
新幹線のグリーン車に全く縁のないワタシにとっては、久しぶりの4列シート、巾広座席は正直、感動的。JR東海さんも見習って欲しいもの。
ってゆーか、そもそも、新幹線が開業したのは昭和39年(1964年)で、今から40年以上も昔。この間、日本人の体格って立派になったはずなのに、どーして座席巾はそのままなのでせうか。自動車の座席なんて、すごく大きくなっているのにネ。
写真 100系こだまの4列シート(2007年6月20日)

岡山までの車中で、さらに作戦を立てる。
・もし、まだ明るいうちに橋を渡れたら、引き返して岡山県側で宿泊する。
・もし、もう暗くなっていたら、香川県側に宿泊して、翌朝引き返す。
できれば前者の方が、翌日はラク。 しかし、岡山に近づくにつれ、周りはどんどん暗くなり、結局は後者に落ち着く。
岡山到着。「快速マリンライナー55号」(岡山18時44分発、坂出18時23分着)に乗り換え。通勤通学時間帯でもあり、車内は結構混み合う。
写真 221系岡山発高松行きマリンライナー(2007年8月22日18時20分頃、坂出駅にて)

初乗りの瀬戸大橋線だが、残念ながら、すでに周りは真っ暗で、景色はほとんど見えない。
茶屋町で宇野線と分かれてから、列車のユレが少なくなり速度が上がった感じがした。そういえば以前、青函トンネルを通った時も、海峡線が津軽線と分かれてから同じような感じがしたっけ。
児島を過ぎて、いよいよ瀬戸大橋に突入。 関門トンネル、青函トンネル、そして今、瀬戸大橋を制覇だ。感慨深いなぁ、景色は見えないけど。(-_-)トンネルも同じだが。
写真 瀬戸大橋からの夜景(2007年8月22日19時20分頃、児島駅〜坂出駅間にて)

四国側の最初の停車駅、坂出で下車。
まずは、今夜の宿泊先を探さないと。駅にある広告を見て電話をしたら、旅館の空き部屋をあっさりとゲット。食事の用意はできないとのことだが、なーに、地元の居酒屋に立ち寄れば問題ない。
旅館の部屋はツインで広々。大浴場はラドン温泉。しかも格安。ビジネスホテルとは比較にもならない。考え方一つで、こういう泊まり方もできるのだ。

早朝、坂出から「快速マリンライナー6号」(坂出6時24分発、岡山7時4分着)に乗る。
列車を待っていると、先に「いしづち3号」(高松発、松山行き)と「しまんと1号」(高松発、中村行き)が通過。
普段見ない列車を見て、四国に来たんだなぁ、と実感するワタシ。(-_-)鉄ちゃんだ。
写真 8000系いしづち3号(2007年8月23日6時20分頃、坂出駅にて)
写真 2000系しまんと1号(2007年8月23日6時20分頃、坂出駅にて)

さぁ、あらためて出発進行。ここは何が何でも、かぶりつきだ。あいにくの雨模様だが、景色は見える。
橋の手前で、予讃線坂出方面、同宇多津方面、瀬戸大橋線の三線が分岐、合流。
写真 瀬戸大橋(2007年8月23日6時30分頃、坂出駅〜児島駅間にて)

橋は二階建てで、上が道路、下が線路。眺めが良いのは上だが、こんな日には雨がかからないので下も良いかも。
写真 瀬戸大橋(2007年8月23日6時30分頃、坂出駅〜児島駅間にて)

近付くに連れて分かってくる、橋の大きさ。よくまぁ、こんなにスゴイものを造ったものだ。
調べてみると、瀬戸大橋は複数の橋の総称で、岡山県側から、下津井瀬戸大橋(吊り橋、1.4km)、櫃石島{ひついしじま}高架橋(高架橋、1.3km)、櫃石島橋(斜張橋、0.8km)、岩黒島高架橋(高架橋、0.1km)、岩黒島橋(斜張橋、0.8km)、与島橋(トラス橋、0.9km)、与島高架橋(高架橋、0.7km)、北備讃瀬戸大橋(吊り橋、1.6km)、南備讃瀬戸大橋(吊り橋、1.7km)、番の州高架橋(高架橋、2.9km)と続くのであるらしい、ふぅ。
写真 瀬戸大橋(2007年8月23日6時30分頃、坂出駅〜児島駅間にて)

いよいよ、橋に突入。二階建てということでは、レインボーブリッジをゆりかもめで通るのと似ていなくもない。が、当然ながらスピードが全然違う。速い、速い、どんどん走り抜けていく感じ。
速いと言えば、ここに新幹線を通す計画もあるらしい。新幹線が北海道まで延びれば、次は四国という話も盛り上がるかもしれない。もっとも、ワタシが生きているうちに乗れるかどうかはビミョー、だが。
写真 瀬戸大橋(2007年8月23日6時30分頃、坂出駅〜児島駅間にて)

橋を渡り終えると児島。時間があれば、この近くの鷲羽{わしゅう}山に登って、瀬戸大橋をじっくりと眺めたいところ。って、はい、ムリですネ。わかってます。
茶屋町の手前で「サンライズ瀬戸」(児島6時53分着)とすれ違い。そーか、東京方面からだと、この時間に橋を渡るのか。瀬戸大橋がおメザとはナイスですなぁ。
写真 285系サンライズ瀬戸(2007年8月23日6時50分頃、児島駅〜茶屋町駅間にて)

茶屋町の手前で宇野線が合流。ちなみに、正式には、茶屋町までが本四備讃線で、茶屋町から先は宇野線。
茶屋町を過ぎると単線に。ここまでと比べると一気に寂しい風情。単線は、このまま岡山まで続く。
写真 宇野線の線路(2007年8月23日6時50分頃、久々原{くぐはら}駅にて)

おっと、5000系の「マリンライナー5号」(早島6時51分着)だ。雑誌等を見るとキツイ顔だが、こうして見るとそうでもない感じ。ってゆーか、そもそもボケボケで良く見えません。(-_-)何故こうまでボケルの?
写真 5000系マリンライナー5号(2007年8月23日6時50分頃、早島駅にて)

妹尾{せのお}と大元の辺りでは、一瞬複線になったかと錯覚するが、行き違いのためだけのようで、しばらくすると単線に戻る。
でも、列車本数が多そうなので、いずれは複線になるのでは。
写真 貨物列車(2007年8月23日7時頃、大元駅〜岡山駅間にて)

間もなく岡山。前方の高架線を「のぞみ62号」(岡山7時4分着)が行く。
坂出から40分だが、感覚的には、あっという間。楽しかった。
写真 のぞみ62号(2007年8月23日7時頃、大元駅〜岡山駅間にて)

岡山からは、「のぞみ64号」(岡山7時17分発、新大阪8時8分着)。本当は、その後の「ひかり440号レールスター」(岡山7時29分発、新大阪8時20分着)の方が良かったのだが、満席。レールスター、やっぱり人気なのね。皆さん、よくご存知です。
新大阪には、かなり余裕で到着。 多少列車が遅れても大丈夫なように、と考えていたので、これで正解。
思ったよりも簡単に実現してしまった今回の寄り道。これは、ひょっとして、また一皮むけたかもしれない。

【初利用駅】予讃線/坂出駅
【初乗り】宇野線/岡山駅〜茶屋町駅、瀬戸大橋線/茶屋町駅〜坂出駅
【完乗】瀬戸大橋線/茶屋町駅〜坂出駅


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