番外編(70-4)、四度目の正直−その四(20071103)


翌朝、バイクタクシーで再びロンビエンへ。駅には発車時間の1時間以上も前に到着。だって、席がなくなると困るし。
それなら、昨日買っとけば良かったのにね。でも、じつは昨日買おうとしたのだが、翌日の分は買えません、と言われたのだった。最後までハードルが高いなぁ。
だがしかし、今日はスッキリ。ついに、切符をゲットだ。やったネ♪値段はたったの22000ドン(160円)!
写真 ベトナム国鉄のLP3列車の切符、ロンビエン発ハイフォン行き(2007年10月7日8時30分頃、ロンビエン駅にて)

切符に書いてある字を辞書で調べる。列車番号(ソータウ/SO TAU)はLP3、車両番号(ソートア/SO TOA)は2、席番号(ソーグへー/SO GHE)は7。そーか、指定席なのか、と今頃気付く。
待つことしばし、人がずいぶん増えてきた。そして、アナウンスがあって、皆さん改札口に向かう。
一呼吸おいて、ワタシも皆さんに続き、切符を見せて改札口を抜ける。やった、ホームだ。
写真 ベトナム国鉄の駅構内(2007年10月7日9時10分頃、ロンビエン駅にて)

改札口はホームの端にあり、まず機関車が見える。
この機関車は、ジャップバットで入れ替えをしていたD12E型だ。貨物でも旅客でも何でもオーケーらしい。今日は、宜しくお願いしますネ。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のD12E-643号機(2007年10月7日9時10分頃、ロンビエン駅にて)

ホームを先に進む。ホームは線路と同じ高さなので、車両が大きく見える。
おっと、2号車は、ここだ。車掌さんに切符を見せてから、手すりにつかまり、ドッコイショと乗り込む。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車(2007年10月7日9時10分頃、ロンビエン駅にて)

おおっ、これは!、木の座席と扇風機だ。懐かしい。小中学生時代の記憶が一瞬よみがえる。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車の車内(2007年10月7日9時10分頃、ロンビエン駅にて)

間もなく列車は発車。ロンビエン橋をゴトゴトと渡る。
ワタシの座席は、突き当たりの右側のボックス、通路側で車端向き。車内も車外も見えにくい場所で、ちと残念。
ワタシのボックスには、おばあさん、おばさん、妊婦さんが。お隣には、おばあさん、おじいさん、おばさん、娘さんが。何だか、ワタシ一人、部外者で、キンチョーするなぁ。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車の車内(2007年10月7日9時30分頃、ロンビエン駅付近にて)

しばらくすると、車内販売が。カートを押すのは車掌さん。この車掌さん、スイッチを入れても回らない扇風機の羽根を棒で突ついたりもして。ご苦労さまです。
缶ジュースは冷えてないが、後で氷入りのジュースも売りに来た。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車の車内(2007年10月7日9時30分頃、ロンビエン駅付近にて)

隣の道路は、ハロン湾に行く時に通ったもの。今日もバイクが元気に走っている。
列車はバイクよりは速いが、それほど速いというわけでもない。一応、急行列車だが、100kmを2.5時間だから、平均時速は40kmほど。
写真 ベトナム国鉄の車窓(2007年10月7日9時30分頃、ロンビエン駅付近にて)

駅に着くと、これも懐かしい、車外販売。チマキやら、果物やら、何(不明)やら。売り子さんは、たくさん居た。
窓が開けッパだからこそ、できる芸当。
写真 ベトナム国鉄の駅構内(2007年10月7日10時20分頃、ロンビエン駅〜ハイフォン駅間にて)

列車は、ひたすら平野を走る。走行音が容赦なく窓から入ってくる。汽笛も聞こえる。本を読みながら、田畑、川、池、民家、集落、工場等々をチラチラと眺める。
何度か駅に停まり、また走って、やがて、列車はハイフォン駅に到着。
写真 ベトナム国鉄の駅構内(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

ホームの先端からさらに先を見る。線路は途切れてはいない。後で地図を調べると、線路は、この先、港へと続いている。
うーん、これでハイフォン線は完乗か。思えば遠くに来たもんだ。
写真 ベトナム国鉄の駅構内(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

ロンビエンでは慌{あわただ}しかったので、ここでじっくり車両をチェック。
これは先頭車のC51752号車。荷物車で、バイクも積める。オープンデッキであることを除けば、あまり荷物車らしい形ではない。
側面には小窓が1枚と大窓が7枚。窓数からすると、やや短いのかも。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のC51752号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

B41822号車。裾{すそ}が絞られている分、車巾は少し広いのかも。
側面には大窓が10枚と小窓が1枚。窓の背は低くて、中が暗そう。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のB41822号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

B41514号車。ワタシがベトナムで初めて乗った、記念すべき車両だ。ごく普通の車両というところがワタシにフィットだ。
側面には中央部に大窓が10枚、その両側に小窓が2枚。10枚の窓はボックス席用、つまりボックスは10列。日本でいえば、オハフ33みたいな感じ。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のB41514号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

B41519号車。前の車両と似ているが、窓の背が低い。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のB41519号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

B41516号車。これも似ているが、リブがない。側面には、小窓が2枚並んで大窓が10枚。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のB41516号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

B41518号車。これも同じ。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のB41518号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

B41511号車。再びリブ付き。側面には中央部に大窓が10枚、その両側に小窓が2枚。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のB41511号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

B41513号車。これも同じ。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のB41513号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

そして末尾のB41510号車。これも同じ。
写真 ベトナム国鉄のLP3列車のB41510号車(2007年10月7日11時50分頃、ハイフォン駅にて)

以上、しめて全9両。
は良いけど、ふと見ると、他の乗客は誰もいなくなっている。しかも、改札口も閉まっちゃってるし。あれれ。
幸い、改札口のずっと左手に一箇所通路を見つけて、なんとか外に出られた。やれやれ。
写真 ベトナム国鉄の駅構内(2007年10月7日12時頃、ハイフォン駅にて)

さて、何はさておき、帰りの切符を買っておかなければ。でも、どこで売ってるんだろ。駅の入口は閉まっていて入れないし。どーするのさぁ。
誰かに訊こうと思ったが、ほとんど人が居ない。幸い、駅前に車掌さん達が居たので「ホェア、キャナイバイザチケット?」と訊いたら、1時になったら駅は開くと教えてくれた。なんだ、そーかぁ、昼休みなのかぁ。って、えーっ!、駅が昼休みぃ?
写真 ベトナム国鉄の駅前(2007年10月7日12時10分頃、ハイフォン駅にて)

まぁ、異国だから、そーゆーこともあるか。
では、1時に戻ってくることにして、昼メシだ。駅前にメシ屋がないので、ブラブラと散策しながら、メシ屋を探す。
5分ほど歩くと、人がたくさん居る食堂を発見。英語は通じそうになかったが、指差しで、ご飯とスープとオカズを注文できた。歩道のテーブルで食べるのが、また楽しい。
写真 ベトナムの食堂(2007年10月7日13時20分頃、ハイフォン駅付近にて)

昼メシの後は、食堂の向かいの大きな公園へ。よく手入れされていて、見晴らしも良い。さぞや名のある公園に違いない。ベンチに座ると、天気晴朗、緑豊富で、とても気持ちが良い。
写真 ベトナムの公園(2007年10月7日12時50分頃、ハイフォン駅付近にて)

1時になったので、駅に戻る。
おっと、入口が開いている。でも、相変わらず人はほとんどいない。
写真 ベトナム国鉄の駅舎(2007年10月7日13時頃、ハイフォン駅にて)

無事に切符をゲット。これさえあれば、もう安心。今度の列車番号はLP8、車両番号は9、席番号は21。
考えてみれば、旅行社とかに頼めば、当日でなくても、また往復でも、切符は買えるのでせうネ。
写真 ベトナム国鉄のLP8列車の切符、ハイフォン発ロンビエン行き(2007年10月7日13時40分頃、ロンビエン駅にて)

再び、公園に戻り、発車時間まで、ブラブラと散策を続ける。
この公園、道路で区切られているものの、ずっと長く続いている。途中、広場になっている辺りには、かの有名なホーチミンおじさんの肖像がかかった建物が。やはり、由緒正しい公園なんですネ、きっと。
写真 ベトナムの公園(2007年10月7日14時10分頃、ハイフォン駅付近にて)

発車時間が近付いてきたので駅に戻る。おっと、いつの間に、こんなに人が集まったのやら。
写真 ベトナム国鉄の駅舎(2007年10月7日14時30分頃、ハイフォン駅にて)

来る時は9両だったが、帰りは10両を超える編成に。じつは、ワタシが駅を出るときに、増結作業が行なわれていたのだった。
ワタシの車両は増結された車両の1両。でも、あまり変わり映えはしない感じ。
写真 ベトナム国鉄のLP8列車の車内(2007年10月7日14時40分頃、ロンビエン駅にて)

今度は窓側、しかも進行方向なので、車外の景色がよく見えた。
ボックスには3人の娘さんが居て、特に向かいの2人は、ワタシが車外の写真を撮るのを珍しそうに眺めていた。どこにでもある景色なのに、と思っていたのかも。ワタシも、若い頃なら、そう思ったに違いないけど。
写真 ベトナム国鉄の車窓(2007年10月7日17時頃、ロンビエン駅〜ハイフォン駅間にて)

だんだんと日が暮れて、車内は暗くなってきたが、照明は点かない。とゆーか、扇風機は、帰りは一度も回らないままで、ずいぶん暑かった。それでも、文句を言う人はいない。
写真 ベトナム国鉄のLP8列車の車内(2007年10月7日17時50分頃、ザーラム駅にて)

そして最後は再びロンビエン橋をゴトゴトと渡る。無事に戻ってこられて、何より。
かくして、三度目ならぬ四度目の正直で、ついにベトナムにおける初乗りは完遂されたのであった。
ホント、為せば成るよーに成ったりしてだ。って、コレのコトだったのかぁ。
写真 チュオンドゥオン橋(2007年10月7日18時頃、ロンビエン橋にて)

【初利用駅】ベトナム国鉄ハイフォン線/ロンビエン駅、ハイフォン駅
【初乗り】ベトナム国鉄ハイフォン線/ロンビエン駅〜ハイフォン駅
【完乗】ベトナム国鉄ハイフォン線/ロンビエン駅〜ハイフォン駅


追記

ちなみに、この日のバイクタクシーの運転手さんは、昨日、統一公園に行く時に御世話になった人。昨日は、ホテルから統一公園まで、言われるままに2万ドン(140円)払ったのだが、すごく感謝されたのか、今日はどこでも1万ドン(70円)でオーケーだと言う。ロンビエンは2倍ぐらい遠いのにネ。
ワタシとしては、安全に連れて行ってもらえれば、多少高くても全然気にしないのだけど。ともかく、これがキッカケで、その後も何度かお世話になることに。今度行く時にも、同じところで営業していて欲しいなぁ。


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