番外編(108)、腹に、来たーーっ!(20090712)


最初から数えてまもなく3年、いよいよ10回目となるハノイへの旅は、いつもと変わらぬ始まりだった。
写真 ベトナム航空のハノイ行きVN955便(左)(2009年6月28日10時10分頃、成田空港にて)

最初の時と同じように良い天気で、窓からは関空や鳴門大橋なども見えた。
関空は不沈空母の感あり。
写真 関西国際空港(2009年6月28日12時10分頃、成田空港〜ノイバイ空港間にて)

ハノイ、ノイバイ空港到着。タクシーでホテルへ。
いつもと同じように今回も全て順調に進むと思われたが・・。
写真 ホテルのロビー(2009年7月9日8時40分頃、ハノイ市街にて)

5日目の朝、異変は突然起こった。腹痛だ。午後からは発熱も。
病院で薬をもらったが、発熱は治まったものの腹痛が治まらない。間欠的にキリキリと痛む。
一時はどうなることかと思ったが、病院で別の薬をもらい、10日目の朝、ようやく腹痛が治まった。
それから、おっかなびっくりで生活を戻すうち、早くも13日目、帰国の日を迎えたのだった。

それにしても、ここ何年も病気とは無縁だったのに、よりによってこんな場所で、こんなタイミングで病気とは。
今回の旅では、途中の土日にタ車を求めてザーラム辺りを探検する予定だったが、当然ながら果たせず。
結果、鉄ネタは全く収穫のないまま終わると思われたが・・。

ところがどっこい、最後の晩餐とも言うべき、帰国の日の夕食時に「鉄ネタが全くないのは気の毒だ。せめてハノイ駅で列車を見てくれば?」という言葉を周りの皆さんからいただいたのだった。皆さん、いい人だ。
夕食後に残された時間は1時間ポッキリ。一緒に帰国する知人S氏(洪水の時も一緒だった人)と、急いでハノイ駅に向かう。
ああ、ハノイ駅。丁度、今しがた到着した列車と、間もなく出発する列車とがあり、駅前は車と人の洪水。
本物の洪水の時とは比べ物にならない活気。
写真 ベトナム国鉄の駅舎(2009年7月10日20時頃、ハノイ駅にて)

駅舎の入口を覗くと、次の列車の発車時刻の30分前で、まだ改札が開かないものだから、列車待ちの乗客であふれ返っている。
もしかして、大昔の盆暮れの日本の駅もこんな感じだった?
写真 ベトナム国鉄の駅構内(2009年7月10日20時10分頃、ハノイ駅にて)

次に出口の方に回ってみると、到着した列車の乗客がゾロゾロと出てくるのは当然として、何とタクシーも次から次へと出てくる。
なぜだ?奥にあるのはホームであって駐車場ではないぞ。まさか、タクシーがホームで客待ち???
にわかには信じがたいが、どうやらそのよう。到着した列車の乗客がそのままホームでタクシーに乗っているのだ。日本では見られない光景だが、どちらが世界の常識なの?。
写真 ベトナム国鉄の駅構内とタクシー(2009年7月10日20時20分頃、ハノイ駅にて)

そして、この人は多分駅員さん。門番をしてタクシーからオカネを徴収していた。
お前たち、どこから来た、何をしてる、などと聞かれて、日本から来て、列車の写真を撮ってる、と答えると、物好きな、という感じで、ニヤっとされた。
駅員さんの向こうには、お馴染みの塗りの客車が停まっていた。
写真 ベトナム国鉄の駅構内と駅員(2009年7月10日20時20分頃、ハノイ駅にて)

かくして最後の最後で、鉄ネタをゲット。
この状況にしては、まずまずという他なし。
タ車は・・、次回だなぁ。

【初利用駅】なし
【初乗り】なし
【完乗】なし


追記

昔、若気の至りで、ある人をとても怒らせてしまったことがある。
その時、その人の言った言葉が「腹に来たぁ!」。
多分「腹が立った」と「頭に来た」がゴッチャになるぐらい怒っていたのでせう。
その言葉は、とても印象深く、その人を怒らせた原因を忘れてしまった今も、鮮やかに覚えている。
そして今回、本来の意味でその言葉を使うハメになったなぁ、などとベッドで腹痛に耐えながらボンヤリ考えていたのだった。


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